HyperEVMをウォレットに追加するときや、Hyperliquid上のHYPEを移すときは、ネットワーク名だけでなくチェーンIDと移動元・移動先を確認する必要があります。「HyperCoreとHyperEVMは同じもの?」「ガス代にETHが必要?」と迷う方もいるでしょう。

先に結論をお伝えすると、HyperCoreとHyperEVMはHyperliquidの同じブロックチェーンを構成する別々の実行領域です。HyperEVMのチェーンIDは999、ガスにはHYPEを使います。HyperCoreのSpot残高からEVMへ移す場合と、EVMから戻す場合では、必要なHYPEの置き場所が異なります。

この記事では、公式情報に基づくウォレット設定、残高移動の考え方、トークンの違いと確認手順をまとめます。DeFiの売買や運用方法ではなく、ネットワークを間違えずに扱うためのガイドです。

注意:暗号資産の送金は取り消せない場合があります。初めての送付先では、送金先サービスがHyperEVM入出金に対応しているかを先に確認してください。価格変動、ネットワーク混雑、誤送信、スマートコントラクトの不具合などにより損失が生じる可能性があります。本記事は特定の資産やサービスの利用を勧めるものではありません。

HyperCoreのSpot残高とHyperEVMのウォレット残高の間で、方向ごとに必要なHYPEガスが異なることを示す図
HyperCoreとHyperEVMは別の残高領域です。移動方向とガスに使うHYPEの場所を確認してから操作します。図は公式Hyperliquidドキュメントをもとにした説明用です。

HyperEVMとHyperCoreの違い

公式ドキュメントでは、Hyperliquidの状態をHyperCoreとHyperEVMに分けています。HyperCoreにはSpotやPerpetuals、オーダーブックなどがあり、HyperEVMはEVM互換の実行環境です。同じブロックチェーンの一部ですが、残高や操作場所は区別します。

HyperCore上のトークンが、ウォレットのHyperEVM残高に自動で表示されるわけではありません。対応資産を公式UIのEVM/Core transfer機能などで移動します。画面のメニュー名は変わることがあるため、公式ガイドと操作対象を照合してください。

混同しやすい点:HyperEVMはArbitrumではありません。Hyperliquidの資産移動機能や別チェーンのブリッジは、それぞれ仕組みが異なります。「HyperliquidにあるHYPE」というだけでは移動先ネットワークを特定できないため、出金画面のネットワーク表示まで確認しましょう。

Ethereumなどと似たウォレットやアプリを使える場面はありますが、ネットワークは別です。送信のたびに、接続中のネットワーク、チェーンID、宛先を確認してください。

Native HYPE・WHYPE・ERC-20・kHYPEの違い

「HYPE」を含む表示でも、ネイティブ資産、ラップ資産、アプリ固有トークンで役割は異なります。名称だけで判断せず、ネットワークとコントラクトを確認してください。

表示・種類 基本的な意味 確認すること
Native HYPE HyperCoreではネイティブ資産、HyperEVMではネイティブ残高として扱われ、EVM側のガスにも使われます。 残高がCore側かEVM側か。ガス用残高が操作する側にあるか。
WHYPE 公式資料が説明するWrapped HYPE。HyperEVM上でスマートコントラクトが扱うラップ形式です。 ネイティブHYPEと混同していないか。利用アプリが該当コントラクトを認識するか。
ERC-20 HyperEVM上のトークン規格。HyperCoreのSpot資産と対応付けられている場合もあります。 正しいコントラクトか。Core側資産との対応が公式情報で確認できるか。
kHYPE Kinetiqに関連するリキッドステーキングトークンです。Native HYPEやWHYPEそのものではありません。 発行元、償還条件、流動性、スマートコントラクトやプロトコル固有のリスク。

Hyperliquid公式資料では、WHYPEのコントラクトが案内されています。ただし、コントラクトアドレスを見つけたことだけで安全性やアプリの対応まで保証されるわけではありません。トークン追加や承認を求められたら、利用する公式アプリの案内と照合します。

HYPEそのものの入手方法を調べている場合は、手順を重複させず、HYPEの買い方を解説した記事をご覧ください。ここでは購入・売買方法には立ち入りません。

ウォレットにHyperEVMを設定する

HyperEVMはウォレットにカスタムネットワークとして追加できます。公式ガイドの設定値は次のとおりです。チェーンIDとRPC URLを正確に入力してください。

設定項目 公式ドキュメントの値 確認ポイント
ネットワーク名 Hyperliquid 任意の表示名でも構いませんが、他ネットワークと区別できる名称にします。
チェーンID 999 入力値が公式案内と一致しているか。
RPC URL https://rpc.hyperliquid.xyz/evm ドメインの綴りとHTTPSを確認します。
通貨シンボル HYPE HyperEVMのネイティブガス資産の表示です。
ブロックエクスプローラー 任意項目。公式ガイド掲載先を参照 ExplorerのURLは変更される可能性があるため、未確認のURLを手入力しないでください。

Explorerは公式ガイド掲載リンクから開きます。固定URLを転記せず、公式ページで現行リンクを確認してください。

  1. ウォレットのネットワーク設定を開き、「カスタムネットワークを追加」などの項目を選びます。
  2. チェーンID、RPC URL、通貨シンボルを公式値どおり入力します。
  3. 保存前に、入力欄の値と公式ガイドを一文字ずつ照合します。
  4. 追加後、ネットワーク名とチェーンIDがHyperEVM用になっていることを再確認します。
  5. 残高や送付先が表示されても、まだ操作を確定せず、次の移動確認に進みます。

ウォレットがETH不足と表示しても、HyperEVMのガスにETHが必要という意味ではありません。公式FAQは、HyperEVMのガス資産はHYPEであり、ETH不足表示はネットワーク設定の誤りなどが原因の場合があると説明しています。まず選択中のネットワークを確認しましょう。

HyperCoreとHyperEVM間の移動を確認する

HyperCoreのSpot残高とHyperEVMの残高は別です。公式UIでは、TradeまたはPortfolioの残高画面にある「Transfer to/from EVM」などの機能から両者間を移動できます。UIは変更される可能性があるため、以下は画面操作を断定する手順ではなく、実行前に照合する順番として使ってください。

移動方向 出発側 必要なガス残高 確定前の要点
HyperCore → HyperEVM HyperCoreのSpot HyperCoreのSpotにあるHYPE 資産がEVM側で対応しているか、金額と移動先を確認。
HyperEVM → HyperCore HyperEVMウォレット HyperEVM上のHYPE トークン種別とCore側での受取先・対応状況を確認。
別チェーン → HyperEVM 送信元チェーン 利用するブリッジ等の条件による 公式資料が掲載するサービスか、対応資産・手数料・宛先を個別に確認。

移動方向ごとにガスの場所が違います。CoreからEVMへはCore Spot側、EVMからCoreへはEVM側のHYPEが必要です。反対側の残高は手数料に使えるとは限りません。

移動を実行する前の確認手順

順番 確認すること 中断する条件
1 移動元と移動先がHyperCoreかHyperEVMか 画面の残高領域やネットワークを判別できない。
2 資産の種類と、移動先での対応 同名トークンのコントラクトやCore/ EVM対応が不明。
3 出発側に必要なHYPEガスがあるか Core SpotまたはEVM側のどちらに必要か曖昧。
4 公式UIの宛先・金額・手数料見積もり 入力内容が予想と異なる、または確認画面に不明点がある。
5 初回は少額のテスト送付が可能か テスト送付ができず、送金先の対応も確認できていない。

公式UIを優先してください。特定のシステムアドレスへ送る方式はHYPE専用の例外で、他資産を送ると失われる可能性があります。この記事ではアドレス送金を案内しません。一般のERC-20やSpot資産に流用しないでください。

暗号資産の購入とHyperCore上の残高準備は別の話です。購入経路や取引所の対応状況は、HYPE購入ガイドで確認し、HyperEVMへの移動可否は必ず送信元と受信先の公式案内で別途確認してください。

HYPEガス代とトランザクションが進まない場合

HyperEVMでは、通常のEVMトランザクションやEVMからの資産移動にHYPEをガスとして使います。HyperCoreからEVMへ移す場合には、Core Spot側のHYPEが必要です。ETHはHyperEVMのガスではありません。

ガス代は固定ではありません。公式資料によると、ブロックスペース需要が供給を上回ると上昇し得ます。実行時の見積もりを確認し、定額を前提にしないでください。

  • ETH不足やネットワークエラーが出る場合は、選択中のネットワークとチェーンID 999を確認します。
  • 残高不足の場合は、ガスに使うHYPEがHyperEVM側かHyperCore Spot側かを操作内容に応じて確認します。
  • トランザクションが進まない場合は、ウォレットに表示されたエラーと公式FAQを照合します。内容が分からないまま同じ操作を繰り返さないでください。
  • MetaMaskで特定のトランザクション形式エラーが出る場合、公式FAQは既知の問題として別ウォレットを試す選択肢を記載しています。移行を行う場合も、秘密鍵やシードフレーズを第三者に渡さないでください。

覚え方:「HyperEVMのEVM操作ならEVM側HYPE」「CoreからEVMへ移動ならCore Spot側HYPE」です。資産本体の移動先とガスの支払元を分けて考えると、残高不足の原因を切り分けやすくなります。

Kinetiq・Pendle・HyperLendの情報を見るときの注意

HyperEVM上には、ステーキングやレンディングなどを掲げるアプリがあります。ただし、プロトコルの存在、現在の稼働状況、特定トークンを扱うマーケットの有無、流動性や利回りは変化します。この記事では、現在のマーケットやTVL順位を確認できていないため、利用可能・最大・高利回りなどとは断定しません。

  • Kinetiq:HYPEのリキッドステーキングとkHYPEに関連するプロトコルです。発行・償還条件、価格乖離、流動性、コントラクトリスクを別途確認してください。
  • Pendle:利回りを分けて扱うプロトコルです。特定のHyperEVMマーケットが現在利用可能か、対象資産と期限、流動性を公式画面で確認する必要があります。
  • HyperLend:レンディングを掲げるプロトコルです。市場や担保条件、清算条件、利用可能資産は変更されるため、古い記事や検索結果だけで判断しないでください。

預け入れ、借入、流動性提供は、ネットワーク設定や単純な資産移動とは異なる投資判断です。スマートコントラクト、オラクル、流動性、清算、運営や管理権限などの固有リスクがあり、元本は保証されません。利回りを最大化する目的の操作や借入ループは本記事の対象外です。

Pendleの仕組みを確認する場合は、別記事のPendle解説も参照してください。DeFi全般の確認項目はDeFi Vaultのリスクチェックリストにまとめています。いずれも利用時は最新の公式条件を確認してください。

関連サービスの説明元:Kinetiq公式ドキュメント、Pendle公式ドキュメント、HyperLend公式ドキュメント。これらの存在は、個々の運用商品や利回りの安全性を保証しません。

送金前後の安全チェック

ウォレットの接続・承認署名・送金・復旧情報を区別する4項目の図
接続後も署名の種類と権限を確認します。出典:Phantom公式ヘルプおよびHyperliquid公式ガイドをもとに編集部作成。

送金先が未対応のネットワークだったり、同名の別トークンを選んだりしても資産を失う可能性があります。初回は公式サポート情報とウォレットの確認画面を照合します。

  • ウォレットがHyperEVM(チェーンID 999)を選択している。
  • 送る資産がNative HYPE、WHYPE、ERC-20、kHYPEのどれか把握している。
  • 送金先サービスが該当ネットワークと資産の入金に対応している。
  • 操作する側に必要なHYPEガスが残っている。
  • 宛先、数量、手数料、ネットワークを最終確認した。
  • 分からない表示や未確認の経路があれば、操作を止めて公式案内を確認した。

この確認で損失を防げる保証はありません。理解できない署名要求や無関係な承認は拒否してください。

HyperEVMの使い方に関するよくある質問

HyperEVMはArbitrum上にありますか?

いいえ。HyperEVMはArbitrumとは別の、HyperliquidのEVM実行領域です。送信元・送信先を取り違えないでください。

HyperEVMのガス代にETHは必要ですか?

必要ありません。HyperEVMのガスにはHYPEを使います。ETH不足の表示が出た場合は、ウォレットがHyperEVMに接続しているか、チェーンIDが999かを確認してください。

HyperCoreからHyperEVMへ移すとき、HYPEはどこに必要ですか?

HyperCoreのSpot残高からEVMへ資産を移す場合、公式案内ではCore Spot側にHYPEが必要です。逆方向のEVMからCoreへの移動やEVM上の操作では、EVM側のHYPEがガスに使われます。

0x222…のアドレスに他のトークンを送れますか?

その方法を一般トークンに使わないでください。公式ドキュメントは同アドレスをHYPE専用の例外として説明し、他資産を送ると失われる可能性があると注意しています。公式UIの移動機能を優先してください。

HyperEVMから取引所へHYPEを送れますか?

取引所がHyperEVMからの入金に対応している場合に限られます。HyperCore Spot経由のHYPEだけに対応する取引所もあり得るため、送信前に取引所の公式入金案内でネットワークを確認してください。初回はテスト送付も検討します。

まとめ:ネットワークとガスの場所を確認してから操作する

要点:HyperEVMはHyperliquidのEVM領域で、Arbitrumとは別ネットワークです。チェーンIDは999、ガスはETHではなくHYPEです。CoreからEVMへ動かす場合はCore Spot側、EVMからCoreへ戻す操作やEVM内操作ではEVM側のHYPEを確認します。

ウォレット設定ではチェーンIDとRPC URLを公式情報に照合し、送金では資産の種類、ネットワーク、受取先の対応を確かめます。特別なシステムアドレスを使った独自の送金手順に頼らず、公式UIと公式ドキュメントを優先しましょう。確認できない点が残るときは、送信を保留するのが安全です。

出典・公式ドキュメント